「皆川明」プロフェッショナルなデザインと経歴のまとめ
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2016年10月17日放送のプロフェッショナル仕事の流儀は、デザイナーの皆川明さんに密着したものでした。
デザイナーと言えば流行を追って、華やかな広告を打ってビジネスをしていくイメージだが、この皆川明さんはちょっと違う。
そんな彼の今までの経歴や仕事の流儀についてまとめました。
- 経歴
- 皆川明の名を一躍有名にしたもの
- ブランド名「ミナ・ペルホネン」の秘密
- 皆川明のデザインの特徴
- 皆川明「ミナ・ペルホナン」2016年最新コレクション
- 洋服以外のデザイン
- 2016年10月17日NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」放送
- 関連書籍
経歴
皆川 明(みながわ あきら、1967年 - )は、日本のファッションデザイナー。ブランド「ミナ・ペルホネン(minä perhonen)」を設立した。多摩美術大学美術学部生産デザイン学科客員教授。東京都出身。神奈川県立港北高等学校を経て、文化服装学院 服飾専門課程 II部服装科(夜間)卒業。
- 1989年、文化服装学院 服飾専門課程 II部服装科(夜間)卒業。
- 1995年、大西和子のメーカー「P・J・C」勤務を経て独立し『ミナ(minä)』(現ミナ・ペルホネン、minä perhonen)を設立。
- 2000年、直営店をオープン。
- 2003年、ブランド名を『ミナ・ペルホネン(minä perhonen)』に改める。
- 2004年、パリ・コレクションに進出。
- 2006年、大阪成蹊大学芸術学部(京都府長岡京市)客員教授。
- 2006年、『第24回毎日ファッション大賞』大賞受賞。
- 2007年、京都に2店舗目となる直営店をオープン。
- 2008年、多摩美術大学美術学部客員教授。
- 2008年、ホームランドリーで洗濯できるライン「ミナ ペルホネン ランドリー」スタート。
- 2008年、オリジナルの陶磁ラインをスタート。
- 2009年、3店舗目の直営店「ミナ ペルホネン アルキストット」を京都にオープン。
- 2009年、青森県立美術館のユニフォームデザインを手がける。
- 2009年、英国のテキスタイルメーカー「LIBERTY」2010秋冬コレクションにてデザインを発表。
- 2010年、4店舗目の直営店「ミナ ペルホネン ピース,」を京都にオープン。
- 2011年、東京スカイツリーのユニフォームデザインを手がける。
- 2016年、「第66回芸術選奨新人賞」(文化庁)受賞。
- 2016年、「2015毎日デザイン賞」(毎日新聞社)受賞。
皆川明の名を一躍有名にしたもの
彼の名が一躍有名になったものがあります。それは東京スカイツリーのユニフォームデザインを手がけたこと。
日本の文化を創出し世界へ発信する「東京スカイツリー」に相応しいユニフォームを制作するために、日本を代表するデザイナーとして皆川 明の起用を決定したそう。
少しレトロな雰囲気で昭和の東京都タワーが完成した当時の懐かしい時代を思い出させるようなデザインになっています。
皆川さんはユニフォームについて以下のようなコメントを残しています。
「東京スカイツリーの制服で一番大切にしたかったのは東京スカイツリーの中で時を過ごす全ての人の楽しいという気持ちです。お客様が東京スカイツリーで楽しく過ごす。働く人が楽しく働く。そんな喜びが感じられる制服をつくりたいと思いました。
東京という街が人の活気に溢れ、近隣と世界が交差する都市であり続けることを願ってデザインしました。東京スカイツリーを訪れた時の笑顔と共にこの制服が皆様にとって記憶の景色となればと心より願います。」
ブランド名「ミナ・ペルホネン」の秘密
「minä」は「私」、「perhonen」は「ちょうちょ」を意味する言葉。
蝶の美しい羽のような図案を軽やかに作っていきたいという願いを込めている。
ブランドロゴは、「私(四角)の中のさまざまな個性(粒の集合)」を表す。蝶の種類が数え切れないほどあるように、デザイナーの生み出すデザインもまた、増え続ける。
皆川明のデザインの特徴
流行がめまぐるしく変わるファッションの世界。だが皆川は、トレンドはいっさい追わない。マーケティングもしない。ただ作りたい物を作る。そのために、通常はテキスタイルデザイナーに任せることが多い生地の図案作りも自ら行う。
花や動物、幾何学模様などをモチーフに、素朴だが印象的な皆川のデザイン。近年では服というジャンルを超え、海外の家具メーカーや食器メーカーからもデザインの依頼が相次ぐほど評価されている。*4
皆川明「ミナ・ペルホナン」2016年最新コレクション
以下の写真はミナペルホナンの今季2016秋冬のもの。花や動物などのモチーフに日本と北欧のスタイルをミックスさせたような特徴的なデザイン(写真と説明文は全て公式サイト
16-17 a/w–clothes | minä perhonenから)
forest ring
小さなリングが並んでヘリンボーン柄を構成している様子は、花壇に並ぶ色とりどりの草花のよう。筆で描いたドットとちぎり絵によるリングで質感の違いをつくっています。
snow fence
降り始めた雪が、牧場の柵に吸い寄せられたような景色。マットな糸、光沢のある糸を使い分けた刺繍で雪の輝きや影を表現しました。刺繍糸にレーヨンやコットンなどを組み合わせて、生まれる景色に光沢の幅を持たせるのは、私たちミナ ペルホネンが初期のころから用いてきた手法。今季改めて初期の技法に立ち返り、取り入れたことのひとつです。
mountain roof
山なみを太い刺繍糸で立体的に表現したヘリンボーン柄。ウールのとてもなめらかなギャバジン素材をたっぷりと使い、タックを贅沢にとるドレスに、刺繍が脈々と続きます。
洋服以外のデザイン
近年のミナ・ベルホルンは洋服以外のデザインも手がけています。
デンマークの家具メーカー Fritz Hansen (フリッツ ハンセン社) に依頼して、ミナ ペルホネンの布をまとったエッグチェア、スワンチェア (共にアルネ・ヤコブセンがSASロイヤルホテルのためにデザインした椅子) を制作。その後、ミナ ペルホネンの布張りにセブンチェア (デザイン : アルネ・ヤコブセン) もラインナップに加わった。*5
デンマークの小さな街で誕生したテキスタイルブランド「kvadrat」とのコラボクッション。
2016年10月17日NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」放送
「自分が喜んでいるものは、人が喜んでくれるものだと信じて」
皆川明の仕事の流儀まとめ
✴︎一回から仕事場まで200段ある階段を登ることが日課
✴︎皆川さんは学生時代陸上の長距離選手
✴︎店舗は8店舗、21年間で売り上げが下がったことは一度もない
✴︎オリジナルデザインの生地から作る→普通は生地を作るデザイナーに任せる
→皆川自身が生地を作ることに存在価値がある
✴︎懐かしい花や動物などのモチーフ→旅先で見かけた何気ないものが多い
✴︎説明になりたくないのでどれくらい抽象的に持っていけるかな
✴︎消しゴムのカスが綺麗に見えた→偶然の発見がデザインを生む
✴︎流行やマーケティングは考えない
✴︎すべて国内の職人に任せる
✴︎値下げは一切しない
✴︎自分の喜びに従う「こんなものが布になったら素敵だろう」という気持ちでデザインをしている「周りを喜ばせたいと思いすぎると自分が小さくなってしまう感じがある」
✴︎「大量生産しなくてもビジネスは成立する」「長く愛されるものを」ということを目指して流行にとらわれない服作りをしている
✴︎29年前は不器用で1着も作られなかった
✴︎皆川明のデザインは「どこから来たの?」と思わせるデザインになっているby糸井重里
✴︎マイナスのものとして捉えられているモチーフを、ポジティブなものに変換している(戦争で使われる迷彩柄をかわいい草花で作るetc...)
✴︎長年使って磨り減ったコートの袖から「裏地の黄色」が見えるようになっている
戦っているというよりは自由にデザインをしている感じ。でも、自由で責任を果たすことは大変ですよね
✴︎ 現在は服作りを大きなチームでやっているが、最初はひとりぼっちだった
✴︎高校を卒業して進学も就職もしなかった皆川はフランスのパリに行って、ファッションショーの手伝いをすることに→この時の経験から「ファッションを仕事にしよう」と運命を感じた
✴︎定年まで勤めあげた父の「1つのことを一貫してやる」ということを自分自身も貫いた
✴︎2年で卒業できるはずの服飾学校を不器用でポケットも上手く縫うことができず、3年かかった→だが諦めずファッション系
✴︎古い一軒家を借りてブランドを始めた
✴︎最初はお金がないので、睡眠3時間で魚市場で働きながら服作りをした→全く売れなかった→父の働き方を思い出す
✴︎番組中、落ちこぼれだった下積み時代に父の姿をいつも思い出していたと話しながら皆川明は涙を流す
✴︎「懐かしいような新しいような感じがした。愛情が溢れるような服だった」by当時皆川明の洋服を買ったセレクトショップの店主
自分ができないことに出会ったときに、自分でできることを相対的に見つけることが大切
✴︎苦しいことも沢山経験した。でも、すべて意味のないことはない。
思う方向に向かいながらと思っているうちは思っている方にはいかないというジレンマがありますね
✴︎皆川は、刺繍工場の工場主に対して、デザインの意図について1つ1つ丁寧に説明する
✴︎また、花の模様1つの刺繍に対しても、何度も
✴︎陶芸家の大嶺實成さんの元にいく
無意識に描いたものが結局景色に見えるというのが面白いですよね、考えすぎると作為になるというか
✴︎どんなに作り込んでも届かない無為の美しさがある
作為がないものの美しさにはなかなか叶わないんですよね
✴︎何度もやり直した刺繍のデザインに納得がいかなかったとき、たまたま裏替えされていた刺繍の模様に目がいき、そのデザインを採用することにした
Q.プロフェッショナルとは?
A.皆川明
使命と夢がどっちもあるもの、そしてそれをするときは「夢を諦める」というスイッチは切ってしまってひたすらやること
関連書籍
そんな皆川明さんは、多数の本も出版されています。その中からいくつかを紹介します。
「皆川明の旅のかけら」
この本は雑誌「装苑」で、皆川明さん自身がしていた連載を一冊の本にまとめたもの。皆川明さんが旅でどのようにデザインにヒントを得て、それをどう服に落とし込めていくのか?その秘密に迫る一冊。
2003年11月発売
「ミナを着て旅に出よう」
この本は、今回のプロフェッショナル仕事の流儀で紹介された、1枚の生地のデザインから洋服が出来上がるまでを細かく書いてあります。彼の仕事ぶりをもっと細かく知りたい方にオススメ。2014年3月発売。
「ミナペルホネンの時のかさなり」
こちらも雑誌「装苑」の人気連載を中心に、ほかの雑誌の記事を加え、再編集、またオリジナルの内容も追加したものです。2014年10月発売。
「今日のまかない」
デザイナー皆川明による初の料理本。コレクションの忙しい時期には20人以上のミナペルホネンスタッフ全員分の「まかない」料理を毎回必ず自ら作るという皆川さん。
四季折々の素材を活かした料理の数々。また、美しい料理に合わせるのは彼がコレクションする素敵な器の数々。
23のレシピや彼のキッチンのデザイン、ミナペルホネンのオリジナルのテーブルウェアなど、「食」にこだわる皆川のライフスタイルと、それを彩る美しいモノたちが多数紹介されています。
2014年9月発売。
「Casa BRUTUS 特別編集 ミナペルホネンと皆川明」
絵画をそのまま布に落としこんだような柄と鮮やかな色彩、繊細な刺繍。1995年に登場したミナペルホネンは美しい存在感と生地から服を作るというアプローチでファッション界に衝撃をもたらしました。
この雑誌では、ミナペルホネンの起源と未来にせまり、多数のインタビューや写真からミナペルホネンを堪能できる一冊となっています。
2015年10月発売。
楽天の方はこちらから見れます▼
▼以下の記事も読まれています
*1:引用元:http://casabrutus.com/design/19268
*2:引用元:http://www.fashionsnap.com/news/2011-11-04/mina-perhonen-tokyo-skytree/
*3:引用元:https://cdn.locari.jp/web/images/p/post_element/picture/73478/w621_logo.png
*4:引用元:http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html#20161017
*5:引用元:http://www.mina-perhonen.jp/collection/furniture/fritz_hansen/
*6:引用元:http://item.rakuten.co.jp/shinwashop/kvadrat-poprain/