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ララランドのあらすじと評価「神の音と映像が宿る映画だ」

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アメリカでは日本より一足先に公開され、ゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞などで多数受賞し、米国の本命アカデミー賞でも最多14部門ノミネートということで、タイタニックに並んでいる本作、ラ・ラ・ランド。

 

筆者もアメリカや、日本で試写を見た人たちで絶賛されているとの声をネットで何度も聞き、ドクターストレンジが惜しかっただけに、超期待して見に行きました。

 

この記事では、前半は「ネタバレ無」でレビューを、後半は「ネタバレ有」で存分に言いたいことを言い切りたいと思います。

ラ・ラ・ランドネタバレ無レビュー

最初は、ネタバレ無しのレビューをしたいと思います。まだ映画を見られて無い方は、この部分だけ読まれると良いかと思います。

 

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筆者は、ミュージカル映画は好きでもあり嫌いでもあります。どういうことかというと、レ・ミゼラブルやオペラ座の怪人のような、セリフがほとんどなくて常に歌って踊ってるミュージカル映画は嫌いです。

 

映画は、ストーリーやセリフありきだと思ってしまうので、どうしてもずっと歌っていることに違和感を覚えてしまうからです。

 

ですが、ディズニーの塔の上のラプンツェルなど、ストーリーもしっかりしていて、セリフがありつつ、感情の変化を表す時にだけ、ミュージカルパートがある映画は大好きなのです。

 

その前提があって、今回のララランドは、「どうやらストーリーもしっかりしていて、セリフもちゃんとある」という前情報をネットで調べて、これは面白そうと思って期待大で行きました。

 

ララランドの評価・オススメ度

結論から言うと、星5段階評価で言うなら、3.8。うーん、いいんだけどもうちょいグッときてほしかった。というのが正直なところ。

 

まず良い部分は、音楽、衣装、演出、ロケ地、映像などすべてが美しいということです。1シーン1シーンが絵画のような美しさで、見ているだけでハッピーになれるような要素がたくさんありました。

 

また、以下のネタバレ有パートでも書いていますが、「2回目以降からぐっと面白くなるスルメ映画」という感じもします。

 

最初はどうしてもストーリーが気になってしまうので純粋に音楽やダンスなどのミュージカル部分が楽しめませんが、2回目以降はストーリーを知っている安心感があるので、音楽やミュージカル部分を集中して楽しめるんですよね。

 

この映画を観にくのにオススメなのは、「ミュージカルがある程度好きで、ディズニー映画を良く見る人」という感じ。コテコテのミュージカルまではいかなくても、ある程度ミュージカルというものに抵抗がない人なら楽しめると思います。

 

特に、ディズニーの「美女と野獣」や「アナと雪の女王」と同じくらいのミュージカルパートの分量なので(ミュージカル:セリフ=3:7くらいの比率)ミュージカル映画と同じくらいライトになっているのでこれらのディズニー映画が好きな人は楽しめるでしょう。

 

以下からは「ネタバレ有」でララランドのレビューを書いていきます。

まだ映画を見ていない方でネタバレが嫌な方は読まないように気をつけてくださいね。

 

 

 

 

ララランドの音楽

まず、やはりミュージカルなので音楽が良く無いと話になりません。基本的にララランドでは3つの音楽がテーマ曲として使われていました。

 

・楽しいダンスミュージック

・切なく甘いバラード曲その1

・切なく甘いバラード曲その2

 

この3曲で構成されています。

良かったのは、あまり曲を多くするのではなく、この3曲をアレンジを変えて何度も何度も繰り返されるということです。

 

この3曲が、どれも名曲なので聞いていて心地よく、ララランドの夢のような世界にいざなってくれます。

 

ポップでダンス調の曲

まず楽しいダンスミュージックは、フルートパートの和音でゆっくりと始まり、だんだんテンポアップ。この曲が本当に軽快で楽しいんですよね。

1950年代のハリウッドのような、「昔のハッピーな映画」そんな雰囲気がこの曲から漂ってきます。

 

最近の映画は、シリアスなものが多く、マーベルのヒーローものでさえ、明るすぎる雰囲気だとヒットしません。主人公が苦悩して挫折してボロボロになって精神的に追い詰められる、そんなダークな雰囲気がウケがいいですよね。

 

この映画では、そういったシリアスな感じは一切なく、昔、映画館でみんなで大声で笑って映画を見ていた時のような、(ニューシネマパラダイスのようなイメージ)そんな雰囲気が終始漂っています。それに彩りを与えているのが、この楽しいダンスミュージックなのです。

 

バラード曲

そして、残りの2曲はバラード調のピアノ曲です。

1曲目は、主人公のライアン・ゴズリングが最初にピアノで弾き、エマストーンが偶然聞くシーンですね。あそこで流れている曲です。

 

この曲も、どこか懐かしいレトロな感じがするのが特徴です。人生を回顧するような、そんな気持ちにさせてくれます。まさに「映画」にふさわしい曲だと感じました。

 

二人の出会いや、別れ、重要なシーンで必ず流れるんですよね。

特に最後この曲が流れて、すべてが上手くいく夢の世界のシーンに変わるところは圧巻でした。最初はピアノだけなのに、気づいたら盛大な音楽へと切り替わっている編集は見事。

 

そして3曲目は、物語の後半から流れ始める曲で、ライアンが海の橋の上で一人歌い始める曲です。この曲も、2曲目と同じように、人生を振り返るような曲調で心に沁みます。

特にラスト、エマとライアンが結婚して家庭用のビデオカメラで日常を撮影している時に流れるのですが、映像の雰囲気とピッタリ。感動してしまいました。

 

このような感じで、ミュージカル映画というだけあって、その根幹をなす「音楽」は見事でした。音楽が良いと思えないとミュージカル映画として成り立たなくなってしまいますからね。音楽は個人的に100点満点でした。

 

ララランドのストーリー

ストーリーは非常に簡単で

 

自分の店を持ちたいジャズピアニストと、映画女優を目指す女優の卵二人が出会う

二人は恋に落ち、先にジャズピアニストの方が売れるためにやりたいことを犠牲にして成功

その後女優の卵の方も売れるようになるがお互いにすれ違う

そして最後はそれぞれ別の道で成功し、ちょっぴり切ないけど良かったね、という話。

 

こんな感じです。

ストーリーは、そこまでひねりはありません。強いて言うなら最後、完璧なハッピーエンドで終わらないということでしょうか。切ないけど、悲劇でもない、ハッピーな気持ちもある、というなんとも言えない感情が混じりラストを迎えます。

 

ストーリーは単純ながら、コテコテのミュージカル映画とは違って、ある程度脚本がしっかりしているという印象でした。

 

でも、ディズニー映画ほど起承転結がしっかりしていないので、ちょっと脚本は映画をぼやけさせてしまっている印象。もっともっとしっかりした脚本だったら満点の星5.0評価になった気がします。

 

特に、二人が恋に落ちたり、すれ違うシーンなどが音楽だけで終わっていたり、唐突にすれ違うシーンが始まったりと、感情の動きが見え辛い脚本になっているのが評価を下げてしまっています。

 

これがもっと、二人の恋の始まり、すれ違い、そしてラストの感情の機微を丁寧に描いていたら最高の映画になったでしょう。ここが一番惜しかったところ。

 

エマストーンとライアンの配役はどうか?

今回、主人公の二人を演じたのは、「きみに読む物語」で有名になった甘いマスクのライアン・ゴズリングと、アメイジングスパイダーマンでヒロイン役を務め、最近スターダムを登っているエマストーン。

 

二人の配役は、なかなか良かったと思います。二人とも、ダンスと歌を相当練習したのだと思うくらいの出来で、周りのダンサーたちと引けを取らないくらいのダンス、そして歌も違和感なく聞けました。

 

歌はちょっと素人っぽい粗さみたいのを感じるのですが、逆にそれが完璧すぎなくて良かったです。

ライアンは、ジャズピアニストという設定も全く違和感なく、演奏シーンも本当に弾いているみたいでした(ほんとに弾いてる?)

 

エマストーンは、顔が爬虫類っぽいな〜と思うこともあったのですが、笑

衣装やダンスのシーンはキレッキレだったし、美人さんだな〜と感じるシーンもあったりと、不思議な役者さんだなと思います。場面場面で全然印象が違う。

 

二人とも、ミュージカル出身ではないのにもかかわらず、素晴らしい演技、ダンス、歌だったと思います。

 

特にラストシーン、二人がジャズクラブで遠くで見つめあって笑うのですが、そのシーンの間や笑顔になりすぎない笑顔が良かったですね〜

 

衣装の素晴らしさ

衣装は、1950年代を思わせるようなカラフルでレトロな感じがして素敵でした。筆者はてっきり昔を舞台にした映画かと思っていたら、冒頭でスマホを持っていて思いっきり現代の映画でした。

 

ですが、衣装や車など、どこかレトロな感じがいつもあって、懐かしい雰囲気がするのが面白いなと思いました。

 

エマストーンの冒頭の青いドレスと、ポスターにもなっている黄色いドレスが特に印象的で美しかったです。

 

衣装のカラフルさが、この映画のハッピーな雰囲気を支えてくれていたように思います。

 

背景やトーンの素晴らしさ

あとは、見る前から素晴らしいと感じていたのが背景や、映画の色み(トーン)の素晴らしさ。この映画は終始夜明けや夕暮れの空が出てくるのですが、その色みが薄紫なんですよね。

 

マトリックスは緑をテーマカラー、500日のサマーは茶色と水色をテーマカラーとしていたり、映画のトーンというのは個性があるものですが、薄紫を映画のテーマカラーとして使っている映画は他に知りません。それがこの映画を唯一無二にしているように感じました。

ここは監督がかなりこだわっているところなんじゃないかなと思います。

 

JKシモンズが出てくるだけで面白い

あとはレストランのオーナーとして出てくるJKシモンズ。めちゃくちゃちょい役で、最初と最後しか出てきません。おそらく監督がセッションで気に入ってまた出演させたかったのかなと思います。

 

面白かったのが、セッションではJKシモンズはジャズが狂うほどに大好きだったのに、今回のララランドではライアンに「フリージャズは絶対に弾くなよ」と言うところ。

セッションではまさにフリージャズの極みみたいなことをしていた彼が、今作では正反対になっているのが笑ってしまいましたね。

 

あとラスト、二人に「こちらです」という感じで手でいざなうシーンは、鬼教師だったセッションの時には見られなかった軽快さ。このシーンも前作とのギャップがすごすぎて笑ってしまいました。笑

 

ララランドは映画館で見るべき?

さて、一番この記事に訪れてくれた人が気になるのは「ラ・ラ・ランドは映画館で見るべきか?」ということでしょう。この映画は万人受けはしないと思います。

特に、脚本、ストーリーを一番重視して映画を見る人にとってはかなり退屈に感じるでしょう。そんなに驚くような展開もないですからね。

 

ですが、コテコテのミュージカルが大好きという人には最高の映画となるでしょう。

筆者のように、コテコテのミュージカルは嫌いだけど、ディズニー映画くらいのミュージカル映画だったら見れる。という人には映画館で見るべき映画だと思います。

 

ララランドはするめ映画な気がする

そして、私は、この映画はするめ映画な気がします。初回では、音楽やストーリーなどを把握し、2回目以降でそれを心ゆくまで楽しむ。そういった楽しみ方をするのがこの映画の見方なのかもしれません。

 

今このレビュー記事を書いている間もテーマ曲がずっと頭の中で流れているくらい曲のインパクトがありますからね。

 

初回はどうしてもストーリーの方に意識がいってしまいますが、2回目以降はストーリーを知っている「安心感」があるので、映画を楽しむ余裕が生まれるというか、そうやって見るべき映画な気がします。

 

この映画は1シーン1シーンを楽しむような映画だと思います。

 

良かったシーン

個人的に良かったシーンをいくつか挙げてみたいと思います。

 

冒頭のハイウェイでのミュージカル

冒頭はどんな風に始まるのだろう?と思ったら、いきなりミュージカルからのスタートでした。これは予想外でしたね。

しかも予告で聞いていたテーマ曲が思いっきり流れて、ラ・ラ・ランドの世界へと誘ってくれました。

 

面白かったのは、渋滞という感情が混沌とした中で、晴れやかなダンスミュージックをベースに、カラフルな服を着た人たちが踊り狂うという非日常感。

現代が舞台の映画だとわかりつつも、ファンタジックな世界が広がっている、そんなオープニングだったと思います。

 

また、この冒頭のハイウェイのシーンは、物語と全くの別物かと思いきや、このシーンが終わった後、実は主人公二人もこの渋滞に巻き込まれていたということがわかります。ストーリーと繋がっているのが凄い好感が持てました。

 

ポスターにもなっているタップシーン

次に良かったのは、紫の背景に、二人が手を広げて踊るシーンです。

ここでは、最初はお互いのことを好きではなかった二人が、心を通わせるシーンでした。

 

軽くタップが入っているのが軽快で良かったですね。

背景の美しさとは対照的に、ただの道路で踊るのも、ララランド特有の日常とファンタジーの世界が融合している感じでおもしろかったです。

 

このシーンでどんな曲が流れているのかちょっと忘れてしまったのでまた見に行きたくなりました。(これがララランドにはまっている証拠?笑)

 

プラネタリウムでの二人のデートシーン

そして心を通わせた二人が、更に親密な関係になるのがプラネタリウムでのシーン。

ここはもう完全にファンタジーで、二人は空を飛んでしまいます。

 

ですが、なぜか受け入れてしまう。心の高揚とリンクしている形で空を飛ぶので、映画の二人と一緒にファンタジーの世界に入れる感じがあるんですよね。

 

また、背景が宇宙になり、黒いシルエットだけ二人が映って踊るシーンは別世界。良く見る少しちゃっちい感じもしなくもなかったですが、非常に綺麗なシーンで心が奪われました。

 

ラストの二人のハッピーな空想シーン

物語というものは、儚さとセットになった時に美しさを感じます。

ララランドも、最後二人は結ばれなかったわけですが、その儚さを抱えながら、空想の世界で二人が超ハッピーに踊ります。

 

ここはまるでディズニーランドのアトラクションの中に迷い込んだような素敵な世界。

ただ踊っているだけよりも、二人は結ばれなかったという儚さがセットになることにより、なんとも言えない感動がありました。

 

そして白い電飾の中で二人が踊るシーンは、あまりに綺麗すぎて軽く涙を流してしまいました。

 

ララランドはどうすればもっと最高の映画になったか?

個人的に、この映画が星5.0になるにはどうしたらいいか?ちょっと考えてみたいと思います。

 

まずは、脚本でしょう。もう少しセリフを多くして二人の感情の揺れ動きがわかるようにすると、もっと映画に入り込めたような気がします。そうすると、ミュージカル部分ももっと映えて感動できた気がします。

 

日本人にはわかりにくい単語が多い

この映画に出てくるセリフは、日本人には馴染みがない単語が多く出てきました。

もう少し世界共通でわかるような単語が多かったら主人公たちに感情移入できた気がします。

 

ストーリーにもう一捻り欲しい

今回、完璧なハッピーエンドとまではいかず、少し切ない、ほろ苦い終わり方をしていました。このラストは凄い良かったと思います。

 

ですが、他のストーリーは、夢を追う若者が出会い恋に落ちる、という王道パターンだったので、もう一捻りあると、ミュージカル好きじゃない人、ストーリーを重視するお客さんの心を掴めた気がします。

 

ララランドの感想レビューまとめ

という感じで色々書きたいことを書いてしまいましたが、ラ・ラ・ランドを総評すると、絶賛するほどではないけれど、見て損はない映画、そして2回目以降にもっと楽しめそうなスルメ映画、といったところでしょうか。

 

筆者は、感動できるポイントがいくつかあったので2回目を見に行きたいな〜と思うくらいこの映画が好きになりました。1シーン1シーンも美しいですしね。

 

映画版ディズニーランドという表現が自分にはしっくりくる気がします。

何回も行きたくなる不思議な魅力がこの映画にはあるんですよね。

 

 

ラ・ラ・ランド オリジナル・サウンドトラックの情報

ラ・ラ・ランドのサントラは、映画に先駆けて現在好評発売中!

ちゃんと日本語版になっているので、スマホに音楽を入れる時も日本語のタイトルになるように変換されています。

 

英語版のシンプルなジャケットとは違い、ごちゃごちゃしてしまっているのが残念ですが、収録されている音楽たちは本当に素晴らしいです。

 

これから日本でもいよいよ公開が始まり、おそらくこれから大ヒットすると思うのでサントラもかなり売れするでしょう。在庫切れになる前にお早目にゲットしておくのをオススメします。

 

ララランドの英語版サントラ

 

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